GUIDE / 解説・比較
再就職手当は残り60日でいくら?月給25万円・所定給付日数90日の例
失業保険の支給残日数が60日のときに再就職すると、再就職手当はいくらになるか。月給25万円・所定給付日数90日の例で、令和8年8月1日からの上限額をもとに計算ツールで出した目安と、計算のしかた、給付率が70%と60%に分かれる境目、もらうための条件を整理しました。
失業保険(基本手当)を受け取っている途中で就職が決まり、受給資格者証の残日数が60日だったとき、再就職手当はいくらになるのか。月給25万円の人を例に、再就職手当の計算ツールで出した目安と、その計算のしかたをまとめました。金額は令和8年8月1日から令和9年7月31日までの上限額で計算しています。
結論: 月給25万円・所定給付日数90日・残り60日なら約24万円
次の条件で計算ツールに入力した結果です(2026年10月14日)。
| 入力した条件 | 値 |
|---|---|
| 離職時の年齢 | 35歳 |
| 離職前6か月の給与の合計 | 1,500,000円(月給25万円×6か月。賞与は含めない) |
| 所定給付日数 | 90日(自己都合などで離職し、雇用保険の加入期間が1年以上10年未満の人) |
| 支給残日数 | 60日 |
| 計算ツールの結果 | 金額 |
|---|---|
| 基本手当日額 | 5,775円(賃金日額 8,333円) |
| 給付率 | 70%(残り60日 / 90日 = 66.7%) |
| 再就職手当の目安 | 242,550円 |
同じ給与・年齢で失業保険の計算ツールに月給25万円を入れても、基本手当日額は同じ5,775円、所定給付日数は90日と表示されます。ご自身の金額は、受給資格者証に書かれた基本手当日額と残日数を入れて確かめてください。
計算のしかた: 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率
厚生労働省の雇用保険制度Q&A(Q40)では、再就職手当の額を次のように示しています。
| 支給残日数 | 支給額 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
- 1円未満の端数は切り捨てです(ハローワークのリーフレット)。
- 支給残日数は、就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで残っている日数です。延長給付の残日数は含みません。
- 就職日から受給期間の満了日までの日数のほうが少ないときは、その日数が支給残日数になります(Q&A Q39)。
残りが3分の1未満だと支給されません。所定給付日数90日の例で計算ツールに入れると、残り30日では103,950円(給付率60%)ですが、残り29日では「対象外」と表示されます。
所定給付日数で給付率が変わる: 同じ残り60日でも90日と120日では違う
給付率は「残り日数」ではなく「残り日数が所定給付日数の何割か」で決まります。給与・年齢を例と同じにして、所定給付日数だけを変えた結果です。
| 所定給付日数 | 残り60日の割合 | 給付率 | 再就職手当の目安 |
|---|---|---|---|
| 90日 | 66.7% | 70% | 242,550円 |
| 120日 | 50.0% | 60% | 207,900円 |
ハローワークのリーフレットにある早見表では、給付率70%になる残日数は、所定給付日数90日なら60日以上、120日なら80日以上、150日なら100日以上です(60%になるのは、それぞれ30日以上・40日以上・50日以上)。所定給付日数90日の人にとって、残り60日は70%を受けられる最後の日数です。
自己都合などで離職した人(倒産・解雇などの特定受給資格者や就職困難者以外)の所定給付日数は、雇用保険の加入期間が1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です(ハローワーク「基本手当の所定給付日数」)。倒産・解雇などで離職した人は、年齢と加入期間によって日数が変わります。
基本手当日額の出し方と、再就職手当で使う上限
基本手当日額は、離職前6か月の給与の総支給額(税金・保険料が引かれる前の額。賞与は除く)の合計を180で割った「賃金日額」に、45〜80%の給付率をかけて出します(Q&A Q10)。くわしい式は厚生労働省の「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」にあり、失業保険の計算ツールも同じ式です。
再就職手当を計算するときは、基本手当日額に別の上限があります。令和8年8月1日からの額は次のとおりで、令和9年7月31日までの額です。毎年8月1日に改定されます。
| 離職時の年齢 | 再就職手当の計算に使う基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 59歳以下 | 6,745円 |
| 60〜64歳 | 5,454円 |
基本手当日額がこの上限より高い人は、上限額に置き換えて計算します。例えば、30〜44歳の基本手当日額の上限である8,270円の人が、所定給付日数90日・残り60日で就職した場合、計算ツールの結果は283,290円(計算に使う日額は6,745円)です。60〜64歳で基本手当日額7,830円(この年齢の上限)の人なら、同じ日数で229,068円(計算に使う日額は5,454円)です。
令和7年8月から令和8年7月までの上限額(59歳以下6,570円、60〜64歳5,310円)で書かれた解説も残っています。令和8年8月1日以降に計算するときは、上の額で確かめてください。
もらうための条件と、申請の期限
残日数のほかに、次の条件をすべて満たす必要があります(Q&A Q39、ハローワークのリーフレット)。
- 受給手続きのあと、7日間の待期期間が終わってから就職したこと
- 1年を超えて勤務することが確実であると認められること
- 離職理由による給付制限がある場合は、待期期間の満了後1か月の間は、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介で就職したこと(この1か月を過ぎれば、知人の紹介や求人広告での就職も対象)
- 離職前の事業主(資本・資金・人事・取引の面で密接な関係にある事業主を含む)に再び雇われたものでないこと
- 就職日前3年以内の就職で、再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと
- 受給資格の決定(求職の申込み)の前から採用が内定していた事業主に雇われたものでないこと
- 原則として、雇用保険の被保険者になる条件での雇用であること
支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に、本人・代理人・郵送のいずれかでハローワークに出します。就職日の前日までの失業の認定を受けておくことも、リーフレットで念を押されています。
よくある質問
QQ. 申請してから、どのくらいで振り込まれますか?
A. 厚生労働省のQ&A(Q41)では、ハローワークが支給申請書を受け取ったあとに審査して支給の可否を決めるため、支給までには一定の時間がかかるとされています。審査の状況は、申請したハローワークで本人確認書類を見せて確かめます(電話では答えてもらえません)。
QQ. 失業保険の手続きをする前に就職が決まった場合も、もらえますか?
A. もらえません。Q&A(Q42)では、受給要件を満たしていても、基本手当の受給手続きをしていなければ、再就職手当を含む各手当は受け取れないとされています。また、求職の申込みの前から内定していた会社への就職も対象外です。
QQ. 再就職手当をもらったあと、すぐに辞めたらどうなりますか?
A. Q&A(Q44)では、基本手当の支給残日数があり、受給期間の満了日より前に再び失業の状態になった場合は、基本手当を受け取れるとされています。ハローワークのリーフレットでは、その場合は再就職手当の分を除いた残日数分を受け取れる可能性があるので、まずハローワークに相談するよう案内されています。
QQ. 就職先の給料が前より下がった場合は?
A. 再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上雇われ、その6か月の賃金が離職前より低い場合は、「就業促進定着手当」を受けられることがあります(リーフレット)。ただし、再就職手当の対象になった会社を6か月未満で辞めて転職した場合は対象になりません(Q&A Q43)。
次にやること
- 受給資格者証の基本手当日額と残日数で、再就職手当の計算ツールに入れて自分の金額を確かめる
- まだ受給手続きの前なら、失業保険の計算ツールで基本手当日額と所定給付日数の目安を出す
- 転職先を探している途中なら、手取りを増やす転職の進め方と転職エージェントの選び方も参考にしてください
出典(2026年10月14日確認)
- 厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」 Q10・Q39〜Q44
- 厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」(LL080801保02)
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和8年8月1日から〜」
- 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」
- ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
この記事は一般的な情報です。金額は計算ツールによる目安で、支給の可否と金額はハローワークでの審査で決まります。