個人事業の開業と法人設立の進め方(費用と手続きの順番)
個人事業の開業届・青色申告承認申請書の提出期限から、法人設立の実費、従業員を雇うときの手続き、資金調達までを順番に整理します。
✓ この記事でわかること
- ✓ 個人事業の開業届と青色申告承認申請書の提出期限を知る
- ✓ 法人設立でかかる実費(定款認証・登録免許税)と、電子定款で印紙代を抑える方法を知る
- ✓ 従業員を雇うときに必要な社会保険・労働保険・給与計算の手続きを確認する
まずは結論:おすすめ3サービス
弥生 起業・開業ナビ
個人事業の開業届と、株式会社・合同会社の設立手続きの両方を無料でサポートするサービス群。
対応範囲 個人事業の開業届、株式会社・合同会社の設立(2026年9月時点)freee開業
個人事業の開業に必要な書類を、最短5分の入力で無料作成できるサービス。
利用料金 無料(2026年9月時点)給与計算代行 業者紹介(EMEAO!)
従業員を雇ったあとの給与計算・労務まわりを任せられる業者を、無料で紹介してもらえるマッチングサービス。
対応業務 給与計算代行、勤怠管理、年末調整、記帳代行など(2026年9月時点)用途別の早見表
| こんな人 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業届と会社設立の両方を無料で進めたい | 弥生 起業・開業ナビ | 個人事業の開業手続きと株式会社・合同会社の設立手続きをどちらも無料の会員登録から進められる(2026年9月時点) |
| とにかく開業届の作成だけ無料で済ませたい | freee開業 | 開業届など個人事業の開業に必要な書類を無料で作成でき、登録から提出まで課金されない(2026年9月時点) |
| 従業員を雇い、給与計算を任せる業者を探したい | 給与計算代行 業者紹介(EMEAO!) | 希望条件に合う給与計算代行業者を無料で紹介してもらえ、相談・見積もりも無料(2026年9月時点) |
| 融資や自己資金以外の資金調達も検討したい | CAMPFIRE | 目標金額を達成した場合のみ手数料が発生するAll-or-Nothing方式を選べるクラウドファンディングサービス(2026年9月時点) |
4サービスの比較表
| サービス | 総合評価 | 対象 | 費用 | サポート形式 | 向いている人 | 公式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1弥生 起業・開業ナビ | 4.7 | 個人事業の開業届、株式会社・合同会社の設立 | 会員登録・書類作成は無料。電子定款なら印紙代4万円は不要だが、定款認証や登録免許税などの実費は別途かかる(2026年9月時点) | FAQのほか、起業・会社設立を目指す人向けの無料オンライン相談窓口「弥生の起業アシスタント」を用意(2026年9月時点) | 開業届と会社設立のどちらも無料の書類作成サービスで進めたい人 | 公式サイトを見る › |
| 2freee開業 | 4.5 | 個人事業の開業届・青色申告承認申請書など開業書類の作成 | 登録から書類作成・提出まで無料(2026年9月時点) | 無料のメールサポートを用意(2026年9月時点) | 個人事業の開業届の作成をシンプルに無料で済ませたい人 | 公式サイトを見る › |
| 3給与計算代行 業者紹介(EMEAO!) | 4.2 | 従業員を雇った後の給与計算・勤怠管理・社会保険手続きの代行業者探し | 紹介サービスの利用・相談・見積もりは無料(2026年9月時点) | 専任コンシェルジュへの電話相談に対応し、最短5分で業者から連絡が来る(2026年9月時点) | 従業員を雇い、給与計算を外部の業者に任せたい人 | 公式サイトを見る › |
| 4CAMPFIRE | 4.0 | 開業・事業資金の調達(購入型クラウドファンディング) | プロジェクト掲載は無料。All-or-Nothing方式なら目標金額を達成した場合のみ、集まった支援総額に対して利用手数料12%+決済手数料5%(いずれも税別)がかかる(2026年9月時点) | ヘルプセンターや「CAMPFIREアカデミー」でプロジェクトの作り方・広め方を解説(2026年9月時点) | 融資や自己資金以外の資金調達の選択肢を検討したい人 | 公式サイトを見る › |
◎:おすすめ ○:十分 △:条件次第 料金・特典は公式サイトの最新情報をご確認ください。
おすすめランキング(詳細)
弥生 起業・開業ナビ
個人事業の開業届と、株式会社・合同会社の設立手続きの両方を無料でサポートするサービス群。
- ✓ 個人事業の開業手続きと会社設立手続き(発起設立)のどちらにも対応(2026年9月時点)
- ✓ 会社設立では、電子定款を選ぶと紙定款で必要な印紙代4万円が不要になる(2026年9月時点)
- ✓ 起業・会社設立を目指す人向けの無料オンライン相談窓口「弥生の起業アシスタント」を用意(2026年9月時点)
弥生 起業・開業ナビは、起業構想から設立・開業、資金調達、事業開始、事業運営までの5つの段階に合わせて、弥生株式会社が提供するサービスをまとめた無料の窓口です(2026年9月時点)。個人事業を始める場合は「個人事業主の開業手続き」から開業届や青色申告承認申請書などの必要書類を、株式会社・合同会社を設立する場合は「かんたん会社設立」から定款や登記申請書類を、それぞれ画面の案内に沿って無料で作成できます(2026年9月時点)。会社設立では、専門家による電子定款作成またはオンライン申請のシステム利用料が発生しますが、弥生会計 Nextを年契約すると同額が還元される仕組みがあり、電子定款を選べば紙の定款で必要な4万円の印紙代は不要になります(2026年9月時点)。ただし、公証人による定款認証手数料や登録免許税などの法定の実費は、会社設立に別途必要です(2026年9月時点)。判断に迷う場合に相談できる無料の税理士紹介サービスも用意されています(2026年9月時点)。
- 個人事業の開業届と会社設立の両方に対応した窓口がひとつにまとまっている
- 電子定款を選べば紙定款の印紙代4万円が不要になる
- 無料の税理士紹介サービスや起業アシスタントで相談先を紹介してもらえる
- 定款認証手数料・登録免許税など法令で決まっている実費はサービスを使っても軽減されない
- 対応できない会社形態や機関設計があり、条件に当てはまらない場合は利用できない
- 対応範囲
- 個人事業の開業届、株式会社・合同会社の設立(2026年9月時点)
- 電子定款
- 対応。紙定款の印紙代4万円が不要(2026年9月時点)
- 相談窓口
- 弥生の起業アシスタント(無料)、税理士紹介サービス(2026年9月時点)
キャンペーン個人事業の開業届・会社設立の書類作成が無料(2026年9月時点)
✦ 開業届・会社設立の書類作成が無料、電子定款で印紙代4万円が不要
freee開業
個人事業の開業に必要な書類を、最短5分の入力で無料作成できるサービス。
- ✓ 登録から開業書類の作成・提出まで無料で利用できる(2026年9月時点)
- ✓ 開業届のほか青色申告承認申請書など、入力内容に応じて必要な書類だけを作成できる(2026年9月時点)
- ✓ マイナンバーカードがあればスマートフォンからオンラインで提出できる(2026年9月時点)
freee開業は、個人事業の開業に必要な書類を無料で作成できるサービスです(2026年9月時点)。氏名や事業内容などの項目を埋めていくだけで、開業届出書に加えて所得税の青色申告承認申請書など、入力内容に応じて必要な書類を最短5分程度で作成できます(2026年9月時点)。作成した書類は印刷して税務署の窓口に持参するほか、マイナンバーカードがあればスマートフォンから電子申請すること、郵送で提出することも選べます(2026年9月時点)。わからない用語や項目にはガイドの説明が付き、困ったときに使える無料のメールサポートも用意されています(2026年9月時点)。株式会社・合同会社の設立を検討する場合は、同じfreeeが別サービスとして提供する会社設立の窓口を案内しています(2026年9月時点)。
✦ 開業書類の作成が無料、最短5分で作成完了
給与計算代行 業者紹介(EMEAO!)
従業員を雇ったあとの給与計算・労務まわりを任せられる業者を、無料で紹介してもらえるマッチングサービス。
- ✓ 希望条件をコンシェルジュに伝えると、条件に合う給与計算代行業者を紹介してもらえる(2026年9月時点)
- ✓ 相談から見積もりまで利用は無料。契約を断っても費用は発生しない(2026年9月時点)
- ✓ 第三者機関の審査を通過した業者のみが登録されている(2026年9月時点)
給与計算代行業者紹介サービス「EMEAO!」は、給与計算・勤怠管理・年末調整・記帳代行などをまとめて依頼できる業者を、専任のコンシェルジュが希望条件に合わせて紹介するマッチングサービスです(2026年9月時点)。電話またはフォームで相談すると、コンシェルジュが条件をヒアリングしたうえで登録業者の中から候補を絞り込み、最短5分程度で業者から直接連絡が来る仕組みです(2026年9月時点)。相談・見積もりの依頼は無料で、紹介を受けたあとに契約しなくても費用は発生しません(2026年9月時点)。登録業者は第三者機関の審査を通過したうえで、紹介後の評判や苦情の有無も継続して確認されています(2026年9月時点)。従業員を雇って給与計算や社会保険の手続きが増えたものの、自社で担当者を育成する余裕がない事業者の相談先として利用できます。
✦ 給与計算代行業者を無料で紹介、最短5分で連絡
CAMPFIRE
開業資金や事業資金を、購入型クラウドファンディングで調達する選択肢。
- ✓ 目標金額を達成した場合のみ資金を受け取れるAll-or-Nothing方式を選べる(2026年9月時点)
- ✓ プロジェクトが成立した場合、集まった支援総額に対して利用手数料12%+決済手数料5%(いずれも税別)がかかる(2026年9月時点)
- ✓ 「CAMPFIREアカデミー」でプロジェクトの作り方・広め方を無料で学べる(2026年9月時点)
CAMPFIREは、商品やサービスの購入という形で不特定多数の支援者から資金を集める購入型クラウドファンディングサービスです(2026年9月時点)。募集方式は、目標金額を達成した場合のみ支援金を受け取れる「All-or-Nothing」と、達成できなくても集まった支援金を受け取れる「All-in」から選べます(2026年9月時点)。プロジェクトの掲載自体に費用はかかりませんが、プロジェクトが成立した場合は、集まった支援総額に対して利用手数料12%と決済手数料5%(いずれも税別)に消費税を加えた金額をCAMPFIREに支払う仕組みです(2026年9月時点)。融資と異なり返済の義務がない一方、目標金額に届かなければAll-or-Nothing方式では資金を受け取れないため、事業計画や広報の準備が必要です。初めてプロジェクトを作る人向けに、無料の「CAMPFIREアカデミー」でノウハウを学べる説明会・相談会も用意されています(2026年9月時点)。
✦ 掲載無料、成立時のみ手数料が発生
開業前に知っておきたい期限と実費
個人事業を始める場合、国税庁は「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)について、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出するよう案内しています(国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、2026年9月時点)。青色申告で確定申告をしたい場合は別途「所得税の青色申告承認申請書」が必要で、その年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は事業開始日から2か月以内という提出期限が国税庁のページに明記されています(国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」、2026年9月時点)。期限を過ぎるとその年は青色申告ができなくなるため、開業届と合わせて早めに提出時期を確認しておくとよいでしょう。
法人を設立する場合は、法令で金額が決まっている実費を把握しておくと資金計画が立てやすくなります。法務省の案内によると、株式会社の設立登記の登録免許税は資本金の額の1000分の7で、計算した税額が15万円に満たないときは一律15万円です(法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」、2026年9月時点)。合同会社の場合は同じ1000分の7の計算で、最低額は6万円です(法務省「合同会社の設立手続について」、2026年9月時点)。合同会社は定款の認証自体が不要ですが、株式会社は公証人による定款認証が必要で、日本公証人連合会によると認証手数料は資本金等の額が100万円未満で3万円(発起人が3人以内の自然人のみで取締役会を設置しないなど一定の条件を満たす場合は1万5千円)、100万円以上300万円未満で4万円、それ以外で5万円です(2026年9月時点)。これらは法令で定められた金額なので、どのサービスを使っても軽減されるものではありません。
電子定款と印紙税、従業員を雇うときの手続き
紙の定款には印紙税法上4万円の収入印紙が必要ですが、国税庁の印紙税額一覧表でも定款(第6号文書)は株式会社・合同会社などの設立時に作成する定款の原本に限り4万円とされている一方、電磁的記録(電子データ)は課税文書に該当しないため印紙税がかかりません(国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表」、国税庁 質疑応答事例、2026年9月時点)。電子定款を選べば、この4万円の印紙代を抑えられます。契約書や領収書に印紙が必要かどうか迷ったときは、印紙税額の早見計算ツールで区分を確認しておくと安心です。
事業が軌道に乗って従業員を雇うタイミングでは、労務まわりの手続きが増えます。厚生労働省は、パートタイマー・アルバイトを含む労働者を一人でも雇用すれば、業種や規模を問わず労災保険・雇用保険からなる労働保険の適用事業になると案内しています(厚生労働省「労働保険とはこのような制度です」、2026年9月時点)。社会保険(健康保険・厚生年金保険)については、日本年金機構によると法人の事業所は従業員の有無にかかわらず強制適用事業所となり、個人の事業所でも農林漁業や一部のサービス業などを除き常時5人以上の従業員を使用する場合は強制適用事業所になります(日本年金機構「適用事業所と被保険者」、2026年9月時点)。給与計算では源泉徴収や社会保険料の控除が必要になるため、源泉徴収税額・手取り逆算ツールや手取り計算ツールで概算を確認しながら、自社で対応しきれない場合は給与計算代行業者への外注も選択肢になります。
個人事業の開業から法人設立までの進め方
1. まず個人事業として始めるか、最初から法人を設立するかを検討します。判断が難しい場合は、税理士など専門家に相談することが案内されています。2. 個人事業として始める場合は、開業届と(青色申告を希望するなら)青色申告承認申請書を、それぞれの提出期限内に税務署へ提出します。3. 法人を設立する場合は、定款を作成し、株式会社であれば公証人の認証を受けます(合同会社は認証不要)。電子定款にするかどうかで印紙代の要否が変わります。4. 出資金の払い込みを行い、法務局で設立登記を申請します。登録免許税は法令で決まった最低額(株式会社15万円、合同会社6万円)以上を納めます。5. 事業が軌道に乗り従業員を雇う段階になったら、労働保険・社会保険の加入手続きを行い、必要に応じて給与計算代行業者への相談も検討します。6. 開業資金や運転資金が不足する場合は、融資や補助金に加えて、クラウドファンディングのように返済義務のない資金調達の選択肢も比較検討します。単価を時給換算して事業計画を見直したい場合は、時給換算ツールも活用できます。
よくある質問
QQ. 個人事業と法人、どちらから始めるべきですか?
A. 所得水準や事業の性質、信用力の必要性などによって向き不向きが分かれるため、一律に「法人化した方が得」とは言えません。開業の手軽さを重視するなら個人事業から始めて後から法人成りする方法もあります。判断に迷う場合は税理士・司法書士など専門家に相談してください。
QQ. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 国税庁は開業届の提出時期を、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までと案内しています。開業届を出していなくても事業所得の確定申告自体は可能ですが、青色申告の特典を受けるには別途、青色申告承認申請書を期限内に提出する必要があります。具体的な取り扱いは所轄の税務署や税理士に確認することをおすすめします。
QQ. 会社設立の実費はどこまで節約できますか?
A. 登録免許税や定款認証手数料は法令で決まった金額のため、どのサービスを使っても金額自体は変わりません。節約できる余地があるのは、紙定款にかかる4万円の印紙代を電子定款にすることで不要にできる部分です。それ以外の費用や専門家報酬の有無はサービスによって異なるため、比較して選ぶとよいでしょう。
関連書籍・用品(Amazon)
Amazonのアソシエイトとして、サクッとツールは適格販売により収入を得ています。
まとめ:まず期限を確認し、実費と手続きの順番で選ぶ
個人事業として開業する場合は開業届と青色申告承認申請書の提出期限を、法人を設立する場合は定款認証手数料や登録免許税などの実費と電子定款による印紙代の扱いを、それぞれ先に確認しておくと手続きの見通しが立てやすくなります。書類作成を無料で進めたい人は弥生 起業・開業ナビかfreee開業、従業員を雇って給与計算を任せたい人は給与計算代行の業者紹介サービス、融資以外の資金調達も検討したい人はCAMPFIREが候補になります。どの形態が自分の事業に合うか、また税務・法務上の判断が必要な場合は、税理士や司法書士など専門家に相談してください。